野獣死すべし
広島→九州(2か所)→東京(4か所)→九州→広島。
流浪してるけど自衛隊、警察官、銀行員の子供の引っ越しに比べれば甘ちゃんだ。
まあ俺の場合、自分の意思と直感で動いてるだけだが。
上京した95年。
短期間だが両親と同居していた。
しかし反りが合わず(これは昔からだけど)一人暮らしをした。
親と同居してたとき毎日ムカつきイライラしていた。
職場ではバカな上司にムカつき、
家では親にムカつく。
当時の俺は常にイラついていて、
最低なヤツだったと今になって思う。
唯一、充実してたのはテニススクールで知り合った仲間とテニスに興じてるときだけだった。
親に対し「憎悪」が「殺意」に変わりかけてた頃、
新聞に掲載されてる映画の宣伝写真に俺は釘づけになった。
よくジョンレノンがかけてるような丸いレンズのグラサンをかけた男。
ゲーハーなのに後ろ髪はインチキ陶芸家みたいに結ばれている。
その外人のアップの写真に俺はインパクトを受けた。
タイトルもそのときの俺にガツンときた。
早速、渋谷の映画館に観に行った。
地方人の俺は映画館に指定席があることを初めて知った。
映画は感動、芸術、人生の深み、生きる素晴らしさ・・・・
など一切ない素晴らしい映画だった。
映画はカップルがノリで次から次へと殺戮しまくり若者に英雄視される、実際アメリカであった実話を元にした映画だった。
映画はエンタメじゃん。
つまり娯楽なのにエラそうに語る評論家や文化人が多すぎ。
宮崎映画(俺は観たことない)が好きな人には受け付けない映画は荒んでいた当時の俺に勇気とパワーをくれた。
アバズレ役のジュリエット・ルイスは最高だった。
いまでも生涯の好きな映画ベスト1は
「natural born killers」なんだ。