W龍(Wでは加護派)
95年の2月某日(忘れた)、上京する前日に俺は九州にいた。
数年住んでた九州を去ることに感傷の欠片もなく、その日に滞在していたワシントンホテルで村上龍、坂本龍一の共著、「友よ、また逢おう」を読んでた。
これは2人が世界中の至る所から送信したFAXが収められてる本だ。
もちろん月刊カドカワ連載なので読者が読むことを前提としてるので完全な私信ではない。
若くしてトップになり今でも存在価値が色褪せない52年生まれの2人の龍のやりとりはクールだがパッションも感じられカッコイイ。
俺が買ったのは95年だけど連載時期は90年7月〜92年2月になってる。
この本で坂本龍一は「世界はこれから国籍、国境とか関係なくボーダレスでやりとりする時代が来る」と書いていた。
さすがYMO時代から世界中をツアーしていた教授の先見の明には脱帽する。
また2人の龍と仕事仲間であり友人である見城徹もイイ味だしてる。
俺が初めて見城を知ったのは、つかこうへいの「つかへい腹黒日記」だったのだがその本でのイメージと(もちろん、つかのデフォルメもあるが)と敏腕編集者の見城が同一人物とは思えなかった。
見城の「編集者の病」は今年の2月28日に広島駅北口の本屋で買った。
俺は本を買うと日付と買った場所(書店の名前を覚えてるときは書店名も)を記入するクセがある。
だから東京を去るときブックオフに大量に本を持っていったときも保存状態はいいのに、安く叩かれたり、買い取ってもらえなかった本が多々あった。
でも数年ぶりに手にした本に日付、場所が書いてると即座にそのときの心理状態、風景、様々な空気が喚起される楽しみ、懐かしさがあるんだ。